人の暮らし(5)・路傍の商い

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(写真の日付の時間が狂っています。今は午前中の時間帯です。念のため)

日がな一日、かなりの交通量があるこの道路沿いで客を待つ。
写真のおじさんは、ここを定位置として毎日、ココナツジュース(Buko Juice)を売っています。

フィリピンではセブ島はもちろん、ほかの地域でも悪路が多いので、時には歩きづらい思いをすることがあります。
穴ぼこがあいていたり、デコボコがあったり、冠水していたり、はたまた、野良犬のフンがあっちにもこっちにも。

悪路にもめげず見るからに重い台車を押しながら、炎天下を行商するココナツジュース売りも見かけます。

ココナツの実はひとつでもそこそこの重さがあります。30個、40個も積んで押し歩くのは、かなりの重労働でしょうね。

屋台のココナツジュースは飲んだことがありませんが、知人のフィリピン人によれば、小カップで一杯10ペソ、大カップで20ペソくらいだそうです。(今の為替レートの日本円で、25円~50円くらい)
ココナツの実の内壁にある果肉を入れてもらうと、少し割り増しになるという人もいます。
上の写真の兄ちゃんは、小カップで飲んでいますね。

客がくると山刀でココナツをカポッカポッカポッと小気味いい音を立てて切りつけて穴をあけ、プラスチックの容器にココナツ水を注いでくれます。


道路沿いにはいろいろな出店があります。
これは野菜の屋台ですね。ちょうどこれから準備をして店開きというところでしょう。
葉物類・大根・人参・茄子・ジャガイモ・キュウリ・カボチャーーーなどなど。スーパーなどよりもかなり安いです。野菜の種類別に秤にかけて売ります。
この店はかなりの品数がありますね。小ぢんまりと、4,5種類の野菜だけを置いている屋台も見かけることがあります。


ここでは肉類を売っています。近所の人たちが買いにきています。

フィリピン人にカメラを向けると、ほとんどの人がポーズを作って笑顔で応じてくれますが、嫌な顔をされることもままあります。そんな時は、遠景からの撮影にしています。

思い思いの場所で、思い思いの品々ーー生活用品やら食材、タイヤのパンク直し、駄菓子屋ーーーなどなどが賑わいを見せています。その点ではフィリピンという国は、生活の利便性があるといってもいいでしょう。
たとえ1ペソ2ペソでも、あの手この手で、とにかく稼ぎを得る手段を講じる。

加熱して調理する食材、たとえば、野菜や肉類などは、車の排気ガスや砂ぼこりが立ち上る道路ぎわの屋台で買ってもいいかもしれませんが、直接口に入る食べ物などは、私たちにしてみればちょっと二の足を踏んでしまいそうです。

揚げ物類もよく売られています。一例が春巻。フィリピン人にも人気がありますが、何度も使った油で揚げたとしか思われないような色合いで、見ただけでなんだか胸やけを起こしそうです。


街町のいたるところで目にする食堂です。道路に面していてこそ成り立つ商売です。
この店は食事用の空間がないので持ち帰りの客が大半ですが、ここで飲食する人たちのために、小さなテーブルを外にひとつ用意してあります。
車の騒音・排気ガスやほこりもなんのその、まったく気にするふうもなく、衛生的とは決していえない環境でも地元の人たちが旺盛な食欲を見せています。

右側のおばさんとはもう二年来の顔なじみで、たまに世間話をしたり、バナナを買ったりしています。時折、まだ小さな子供を店に連れてきていて、ご飯を食べさせたりしていることがあります。
私の知るかぎり、おばさんは別の場所で2回、商売をしていました。三度目の正直が叶ったのかは分かりませんが、少しでも売り上げが望める場所を見つけて、やっとこの場に店を構えたのでしょう。

「バナナ、ちょうだい。げんき? 」
「うん、元気よ」
「どう、商売は?」
「うん、オーケーだよ」
いつもニコニコ気立てのいいおばさんです。チップは必ず渡します。
「Thank you!  Thank you ! 」

ちょっと余談。
前にも書いたことがありますが、フィリピンで買い物をするときに頭に入れておくべきことのひとつに釣銭の問題があります。

小規模の店舗や個人経営の店・屋台・乗り物などを利用するときには、必ず小銭をたくさん用意しておくことです。
床屋・喫茶店・食堂・タクシー・トライシクル(側車が付いたバイク)・ジプニー・サリサリストアーーーなどなど。常にきちんと釣銭がある店店は、非常に少ないですからね。

あるとき喫茶店でコーヒーとピザを頼み、160ペソで200ペソを出したら、
「釣銭がないんです」
「いや、釣りはいらないので」
「Thank youuuuuuu !」

4,50ペソくらいなら、チップとしていつも置いていくので意に介しませんが、それにしても、客商売で釣銭の用意をしないという神経は、いまだに理解の範囲を超えています。

そもそも、理解しようとすること自体が、的外れなのです。日本ではなく、ここはフィリピンですから。釣銭を用意するという気が最初からないのだから話にならない。

またあるとき朝の9時ごろにタクシーを拾ったことがあります。料金は280ペソ。500ペソ札を出したら、今日はまだ初仕事で釣銭がない、と断られたことがありました。近所には両替できる店もなく、仕方がないのでそのまま500ペソ払いました。

フィリピン通の日本人に言わせると、外国人とみるやわざと釣銭がないふりをしてネコババする不届き者もたまにいるということはよく分かっていましたが、いちいちそんなことでドライバーを疑って揉めたりしたら、日常の普通の大切な時間にケチがついてしまいます。

要は、日々のお粗末な些事にこだわって異国で嫌な思いをするよりは、自分でできるだけ準備を整えておけばいいということに尽きます。

2023年6月12日・公開




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